2016年2月25日木曜日

アマガエルの嗅覚はすごい

アマガエルの嗅覚についての詳しい文献が見つからず、分りません。

ヒキガエルは、繁殖のために生まれた池に戻るのは、来た道の匂いを記憶していて、それで戻れるのだそうです。 「カエルの鼻」 石居進 箸より
しかし、私は14年にプールからパパカエルを家にバケツで連れて来て、庭に放すとプールに戻っていました。 この時は、来た道の匂いは分らないはずです。

伝書鳩が、何百キロも離れた所から戻るのは、匂いを頼りに戻っているそうです。
我が家に連れて来たパパガエルも、プールから漂って来た匂いを頼りに帰ったと推測しました。
アマガエルの嗅覚は良いのかも知れません。

カッコちゃんに嗅覚の実験に協力してもらう事にしました。
しかし、アマガエルは無視を得意とします。匂いは感じていても、態度で示してはくれないと思いましたが。

方法
 ポリの透明コップを3ヶ用意し、一つ(A)は、コオロギの飼育箱に2日間入れ、コオロギをこすり付け臭いを付けました。
 あとの2ヶ(B, B′)は無処理で、匂いは付けないようにしました。

まず、カッコちゃんに、Aの匂い付コップにコオロギを入れ、匂いなしのB, B′と置き、コオロギの臭いがする中にコオロギがいる事を覚えてもらいました。
カッコちゃんは、少し横に動いてから真っ直ぐにコオロギ入りのAコップに行き、ご褒美のコオロギを食べました。

 次は、Aのコップも空にして、コップを並べ、どれに興味を示すか観察しました。
並べる順も換えました。  視覚は頼れません。 (私には無臭です)
(コップにはコオロギと書いてありますが、字は読めません)
コップを見てから、5分間は全く動きません。

5分後に、Aのコップの方向に体の向きを換えました。↓そして、左前足を振り上げる動作をし、次に右前足も振り上げる動作をしました。体も少し動き、緊張が高まっているようです。

 それから2分後、↓
すごいです。コップについた匂いをかぎ分けました。!

透明容器に虫がいる時は、虫に向かって跳び付き食べようと口を開けます。
今回は、コップに跳び付き、口は開けませんでした。
 
匂いはするけど、コオロギはいないと分っていたようです。中に入って探そうと思ったのだと推測しました。

 これで、アマガエルの嗅覚はすごい事が分りました。
虫を探す時は、嗅覚も使っているようです。

6 件のコメント:

  1. あまがえる大好き2016年2月25日 15:59

    お転婆様

    今シーズンのまとめ、とても興味深く読ませていただいています。
    お転婆様は、観察者というより研究者ですよね。本当にすごいと思います。

    それにしてもアマガエルの生態は謎だらけ、とあらためて思います。お転婆様のように個体識別出来る人はほとんどいないでしょうから、来シーズンへの期待がますます高まってきています。とっても楽しみです。

    透明プラスチック越しに食べようとするのは、ウチのカエルも同じです。何度もアタックしたあげく、最後は拗ねてしまいます。最初は目の能力の問題かと思いましたが、人間も窓ガラスの汚れが外側か内側か、目視しただけでは正確に把握出来ない。その意味ではカエルと同じだなと思いました。ただ、人は外側を拭いても汚れが落ちなければ内側が汚れていると考える。カエルもトレーニングをしたら、理解して回り込んで食べられるのだろうか?どうでしょう???
    部屋の遠くに立って飼育ケースを見つめてみました。もし飼育ケースの中身を知らなかったら、ケースの外にあるものと中にあるもの、どこまで近づいたら正確に把握出来るのだろうか、と。

    ネット情報にはいろいろあるなと思った中のひとつに「カエルは動くものしか見えない」というのがありました。が、そんなことはないと私は感じています。人間も点滅しているものには、より注意が向かうということがあると思いますが、カエルも動くものに、より注意がいくだけだと感じています。一番大切な身を守ることと、食べ物を捕ることに直結しているわけですし。ウチのカエルは、大好きなハエが動いている時は、素早くアタックします。が、動いていない時は、じっと見つめて、動いた瞬間にアタックします。どんなに見つめていても動かない時、カッコちゃんと同様に見切り発車します。吹き出しに言葉を書くならば「大好きなハエらしい、今は動いていないけど、きっとハエに違いない、まず間違いない、いっちゃえー」と書き込みたいです。そのように私からは見えます。動いていないものにアタックするのは、食べ物ではないものを飲み込んでしまうリスクを背負うことだと思いますが、今までの経験を通して「きっと大丈夫」と思ったのだろうな、と私は想像しています。

    私もお転婆様を見習い、遅まきながら飼育記録をつけるようになりました。きちんと書いておくことが有用であること、よーく感じています。最初からしておけばよかった…と反省です。

    返信削除
    返信
    1. あまがえる大好き様

      いつもブログを見て下さりありがとうございます。
      研究とはほど遠いものですが、アマガエルの事が少しづつ分り楽しいです。

      個体識別は、背中に模様さえあれば簡単ですが、薄くなったりしますので、その時は苦労します。数が多くなると、模様と名前を覚えるのは高齢の私には大変です。
      今年は最盛期の5月に観察できそうですので、楽しみです。

      透明の容器の完全な理解は、動物にとっては難しいと思います。カッコも何回も教えて覚えましたが、まだ透明の容器の存在は理解できていないようです。しかし、何回も繰り返し教えると、「良く分らないけど登ればいい」と言う事を学習するようです。トレーニングすれば、回り込み食べる事ができると思います。
      しかし、その時により早くやる気をなくして、動かなくなり、私をジッと見つめます。可哀そうになり訓練は中止、なかなか根気が入ります。

      >「カエルは動くものしか見えない」
      この記事は私も読み、反対意見です。動く物しか見えなかったら、生きて行けません。
      動く物が見つけ易いのは、人間も同じです。だから注意を促す時点滅ですよね。私も畑で蜘蛛を探している時、動かないと何処にいるか分りませんが、動いた瞬間に見つける事ができます。全ての生き物に共通する事だと思います。

      >今は動いていないけど、きっとハエに違いない・・・
      カッコもそう考えて動かないのに食べるのだと思います。
      完全に死んでいて、全く動かない知らない虫は食べないと思います。
      動かない虫を食べるのは、条件があると思います。直前まで動いているのを見ていた。いつも食べていて、匂いなどから食べられると分っている。いつもくれる(飼い主)人がくれる。 いつももらう容器の中にある。
      など、総合して食べられると判断して食べるのだと思います。野生では動かない虫を食べる事はないように思います。

      ニュートンと言う雑誌の「生き物の超能力」でカエルの第一人者である松井正文先生が、「カエルは動かない物も食べる事がある」と書いておられます。

      あまがえる大好きさんのご意見に賛成です。
      カエルを飼育した人でないと分らないでしょう。

      私も、飼育日誌は適当で忘れたりします。そんな時ブログは役に立ちます。
      あまがえる大好きさんも、ブログ書いて下さい。
      飼育の様子をもっともっと知りたいと思います。
      よろしくお願いします。

      削除
  2. お転婆様

    視覚メインだと思っていたアマガエルが臭覚も使っていたと言うのはかなり驚きました。
    もしかして自分の事も臭いで知ってるかもしれないし、ケースは綺麗にしてあげないとかわいそうですね。

    以前も書きましたが、大きい方のアマガエルが自分の糞に食いつき何度か吐き出すという事を繰り返していました。オスガエルはふざけて入れた自分の何倍もあるスズメガの幼虫に果敢に食いついていました。

    恐らく、人間が来る、人間がくれる物は餌と学習しているのだと思います。
    糞は動きませんしスズメガの幼虫なんか食べられる訳ないのです。

    一見間抜けに見えてしまいますが、実は高い学習能力があるのだと思います。
    他のカエルがどうかは分かりませんが(ヒキガエルなどはハチなどにひどい目に遇うと食べなくなるらしいですが)地上ではなく立体で暮らすアマガエルは四方上下を見渡したり距離を計って飛び移るなど他のカエルとは脳の発達が違うのかもしれません。

    返信削除
    返信
    1. スクワイヤー様

      私も意外でカッコちゃんが当てた時は、興奮しました。(笑)
      この実験の様子から、餌を探す時は、嗅覚も参考にしているのではないでしょうか。枯草の匂いがする所は、蜘蛛やコウロギなどがいると学習できていると思いました。
      また、私の家の壁飾りやカエルハウスに多くのカエルが来るのは、アマガエルの匂いが付いているからではないかとも考えています。春には、そんな実験もして見たいです。

      糞に食いついたのは、飼育されている場合に起こるのではないかと考えています。
      カッコは、私が手を出すと条件反射のように口を開けます。しかし、本気で食べる様子はなく、幼児が母親がスプーンを近づけると口を開けるような感じです。

      >人間がくれる物は餌と学習している
      同感です。私の手は食べられないと解っていても、いつもくれるからと条件反射のようになっているのだと思います。
      大きなスズメ蛾の幼虫に食いつくのも、飼い主を信じての行動かも知れませんね。

      アマガエルは学習能力はありますね。
      人間の近くで暮す事により、他のカエルより脳は刺激を受けて発達したのではないでしょうか。

      削除
  3. あまがえる大好き2016年2月26日 12:41

    お転婆様

    透明容器を餌入れにしている私は、何とか改善出来ないかと考えてはいるのですが、まだ解決出来ていません。

    以前にも書いたように思いますが、ウチはスーパーで売っているキムチが入っていた直径10センチ高さ8センチ位の硬質の透明プラスチックケースに虫を集め、それを飼育ケースに入れて、カップのフタをはずしたら大急ぎで飼育ケースのフタを閉める、という方法で与えています。キムチカップは、虫を逃がさないためと、カエルの怪我が少しでも防げるかもという思いで、横に倒して飼育ケースに置いています。
    ゲンキは変態後2週間位の時、カップの中に入って食べることを覚えました。ゲンキはお腹をすかせて床をウロウロしていることが多く、あまり高い所へ上ることがなかったので、難なく開口部から入れたのだと思います。早い時期から高いところに上っていたシズカも、すぐにゲンキをマネするようになりました。今でもカップの開口部にに手をかけてのぞき込んでいたり(その姿がまた愛らしくて…)、中に入って食べることもよくあります。が、高い位置からカップを俯瞰していると、虫が外にいるか、内にいるかわからないようです。カップの側面を歩いている虫を食べた成功体験と、カップの内側にいる虫を何度もアタックして食べられなかった失敗体験と両方ありますが、成功した時と失敗した時の違いが何かはわからないようです。今は主たる餌がハエなので、浅いケースで、普通に上に向けて投入しているので、あっという間に食事終了です。怪我するのではないかと思うほど勢いよく飛びつくので、もう少し良い方法はないかとは思っているのですが…。

    外で餌が捕りにくくなってから、シズカは1日にハエ2匹が基本ですが、全く満足はしていない様子です。嫌いなはずのバッタを入れておいたら見えなくなったので、先日もまたヒシバッタを入れたら、私の見ているところで食べてくれました。その様子ですが、飛びついたものの、体の一部を口にくわえたまま30秒ほどフリーズして考えていました。「コレ、嫌いなんだけどな、どうしようかな、お腹空いているしな、コレしかないのかな、しかたないから食べようかな」ゴックンという感じでした。これでは餌が豊富なときに食べるわけがないなと思いました。ハエばかりでは、と頑張って野外で餌取りしているのに、天然物でも養殖物でもハエがいい、と体全体で訴えてくるシズカです。

    返信削除
    返信
    1. あまがえる大好き様

      ケース内に虫を放して、自分で捕って食べるのは良い方法と思います。二週間で覚えたなら、早いのではないでしょうか。
      そして、アマガエルはやはり真似をするのですね。
      容器の縁に手を掛けて覗き込んでいる姿はとても可愛いですね。
      確かに、失敗と成功の違いは難しいかも知れません。

      ヒシバッタをくわえたままフリーズしていたとは、可愛いいです。どうしようかと考えていたのですね。
      私は、以前マグロの赤身の刺身を与えてみた事があります。躊躇なく吞みこみましたが、「しまった。これは嫌だ。」という感じで、口を開けて両前足で口を拭う動作をしました。きっと出したかったのだと思いますが、吐き出す事はしませんでした。
      私は現在、コオロギ・蜘蛛・ハナアブ・蛾(小さい)を与えていますが、一匹づつ前に落として食べてもらっているので、カッコちやんは自分で選択する事かできません。
      それで好き嫌いは今のところ分りません。

      自分で選んで食べられるようにしてあげたいですが、飼育ケースは隙間だらけなのでできません。

      ゲンキ君とシズカちゃんのお話楽しく読ませていただきました。
      ありがとうございました。

      削除

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。