2015年12月30日水曜日

オスたちの作戦 

 今年の観察によると、アマガエルは、メスがオスに求愛する事が分りました。
この事を踏まえて、オスの行動を考察しました。

普通アマガエルは年齢とともに体は大きくなり、声も大きく低く長く続きます。
長く生きていると言う事は、健康で生きる知恵もある訳ですから、メスは大きな声のオスを選ぶそうです。(両生類の進化 松井正文より)

オスは、まず大きな声で鳴き、メスに近くに来てもらう事が先決です。
前日のブログ、オスが好んで鳴く場所は、メスを見つけ易い所ではなく、大きな声を長く出せる所と私は考えました。

そして、作戦もあるようです。
  以下は私の今年の仮説です。 
作戦 1      集まったり、小さなグループとなり鳴く。
  
下の図は、プールで鳴いている時のカエルの配置のメモです。●がカエルのいた所です。
   プール全体に散らばるのでなく、集まる傾向が見られました。

↓4/23  集まって鳴いています。 (写真とメモの記録の時間が違うので少し動いています。)

全体に散らばって鳴く日もありました。数の多い日は散らばる傾向がありましたが、統計は出せませんでしたので、来年の課題とします。
   5/20 全体に散らばって鳴く日もある


 昨年、「田んぼでは、日により合唱の場所が換わる。」と書きましたが、田んぼは何枚もあり広いので、散らばるより集まり鳴いた方がメスも来るのではないかと思いました。

 更に2~3匹がまとまって鳴いていました。 ↓
    
作戦 2    大きなカエルの側に行く ↓ 


大きくて良い場所で鳴なくリーダー的アマガエルの側は、小さいカエルが良くいました。
小さい声のアマガエルは一匹で鳴いていてもメスは来てくれないので、大きな声のアマガエルの側でチャンスを待つのではないでしょうか。
アマガエルは他ガエルの行動が気になったり、真似をしたりします。来年のために鳴き方の勉強をしているのかも知れませんね。

側に来られた大きなアマガエルは、平気な時もありますが、怒る事も多いです。↓

 

2015年12月28日月曜日

繁殖期メスの行動

昨日のつづき
前回はメス(いちこ)のプールにおける2時間の行動を追いました。
いちこはプールに到着すると直ぐにプールに跳び込み、プールの中から縁や壁で鳴くオスの声を聞き、目星をつけたオスの近くに行き様子を伺い、また水に戻り次のオスを見に行く、この行動を6回繰り返しました。 

今年の観察では、 
メスプールの中や縁から、まず声でオスの候補を選び近くに行き見て回る。そして気に入ったオスが見つかると自分から求愛する。
この様子を3匹観察しました。他にカップル誕生まで行かなくても、このような行動をしているメスを3匹観察しました。

メスオスを選ぶと抱きつく様な態度を取ります。オスは求愛されたと知り、背中に乗り、落ちないように体勢を整えます。それまでメスはジッとしています。↓

一度でしっかりしがみつくのは難しいので、メスはこの時に拒否できます。
ですから、気のないメスを射止める事は難しいようです。
メスオスに近づき、オスが背中に乗ろうとすると、メスオスを蹴飛ばして逃げたケースも2回見ました。これは急に心変わりがしたのか、うっかり気のないオスに近づいてしまったのだと思います。ドタキャンされたオスは決して後を追う事はしません。追っても無理ですから。

メスは産卵当日でなくてもプールに来ます。 吸水目的か下見かは分りません。
プールに来ても暫らくすると帰ってしまいます。 オスに気付かれる事はありませんでした。
  早くに帰るメス ↓

オスオスの背中に乗ってしまうのは、オスが近くに来た時にメスに求愛されたと早合点してしまうようです。

次回は、このメスの行動を踏まえて再びオスの行動を検討します。

2015年12月27日日曜日

メスの婚活を追って2時間

今年の観察でメスがオスを選ぶ事が分りました。
5/30日のブログ「メスからプロポーズする」 6/12「可愛い求愛のアピール」で書きましたが、
メスはじっくりオスを選び、自分から近づき求愛する事が分りました。

6/14 あるメス(名前いちこ)がプールに来てから2時間の婚活行動です。

20:27  プールに入ってくるカエルを見つけました。↓
オスは早く集まり、遅くに来るのはメスの可能性が高いです。

顎の下は白く、体型も洋ナシ型でメスです。いちこと名付けました。
直ぐに縁に上がり、休む事なく水に跳び込みました。カエルとしては速い行動です。↓

14分後 西の壁に貼り付いて暫らくすると再び泳ぎ出しました。↓

今度は東の縁で鳴くオスの近くに貼りつき、声を聞いています。↓

直ぐに北に移動し北東の隅に浮かぶ発泡スチロールの蓋で鳴くオスをジッと見ていました。

10分見ていて今度は、北西の縁で鳴くオスの所に来ました。水の中からジッと見ていましたが、そのうちにオス同士が威嚇を始めると、サッとその場を離れました。
 (オス同士が威嚇すると見ていたメスは離れるケースを何回も見ました。)

20分泳ぎ回り、西の縁で鳴く二匹の大きなオスの近くに上がりました。

またオス同士の鳴き合戦が始まり、その場を去りました。↓



その後30分も水の中にいて、再び東の縁で鳴くオスの様子を見に来ましたが、直ぐに水の中に。↓

またいちこは、プールの真ん中に行き浮かんだままとなりました。

いちこは、約2時間オスを見て回りましたが、相手は決めませんでした。
決めなかったのは、私が追跡していた可能性もあります。
できるだけライトを消し静かにして望遠で撮影しましたが、これ以上邪魔してはいけないので、観察は一時中断して家に帰りました。
そして一時間後、23:20再びプールに来ると、いちこの姿はありませんでた。
一組のカップルがいました。

このまとめは次回になります。

2015年12月26日土曜日

オスはメスが分るの ?

アマガエルのプールにおける繁殖行動について書いています。

前回、繁殖期のオスは、どの様な場所で鳴くのを好むか書きました。
鳴く場所を理解するには、メスの行動を知る必要がありますので、今年分った事を書きます。

繁殖期のメスの見分け方
 A 体の違い
   ①メスは鳴かない。 顎の下が白く綺麗でたるみがない。↓ 
 
  オスは顎の下は鳴嚢で鳴く時に膨らませるので、鳴いていない時もたるんでいて、黒っぽかった  り、肌色のように見える。↓
 
②体はメスは下腹部が膨らむ洋ナシ型。

オスは鳴いている時は、お腹を膨らませるので大きく見えるが、膨らみ方が異なる。
鳴いているオスは、皮膚もパンパンに張り、頭の直ぐ下から全体が膨らむ。 鳴かないと細くなる。
メスは常に下腹部のみ膨らんでいる。
 
③ 体全体が大きい。 
  年齢が同じ場合はやや大きいが、若い小さいメスもいて個体差もあるので、これだけでは判断  できない。 大きいメス ↓


B 行動の違い 
これは長い時間観察しないと分りませんが、見ているとオスとは違う。
産卵目的の場合は、泳ぎ回りオスを見て回る行動が見られる。
産卵目的でない場合は、 一匹で離れて「高見の見物」をしているような事もあり、のんびりと吸水をしている事が多くあり、そのうちに帰ってしまう。(オスは長くプールにいる。)
   


私は、メスが分るようになりました。(プールで繁殖期以外は分りません)

では、オスはメスが分るのでしょうか。?

私の今年の観察では「オスはメスが分らない。」ような気がしました。
このオスはこんなに近くに来たのに、メスと分らず威嚇までしていました。↓

これは↓メスが真ん中にいるのに、メスは無視してオス同士が鳴き合戦をしていました。


もしメスと分るなら、鳴く場所も換わると思います。プールの中で壁に貼り付いて鳴くより、
縁でプールの外側を見ていた方が有利なはずです。
もし、オスがメスと分ると仮定すれば、「オスはメスと分っても自分から求愛はしない 。」と言う事になると思います。

2015年12月24日木曜日

良い場所は大きなオスが陣取る

前回のブログで、4月はプールの水の中で壁につかまり鳴き、6月暖かくなるとだんだんと縁に上がって鳴くようになる事を書きました。

プールの中では、どのような場所を好むのでしょうか。
① 排水口横のくぼみ 
   排水口横のくぼみは、水の中ではなく水面に近い陸地で、楽に鳴く事ができます。
   くぼみになっているため風も当たらず、天敵からも見え難くい形状です。
   2ヶ所しかなく狭いので、場所を取り合い頻繁に威嚇し合うのが見られます。
    ここは、決まった大きなオスがいる事が多かったです。       

常連の大きなリとエルと くぼみを狙うやや小さなカエル ↓
小さなカエルは大きなオスの側にいる事が多いです。(この謎は後日に)


② プールの4隅 コーナーです。
 カエルは鳴く時に、鳴嚢とお腹を大きく膨らませます。
 コーナーは、平面の壁より足を固定し易く、お腹も膨らませ易いようです。
   右前足の指がないリとエル君もここならいられます。↓

 ③プールに浮かぶ浮遊物 (発泡スチロールの蓋・ゴミ・枝や葉・花びら)
   ゴミや枝は沢山あるので、小さなカエルもいられます。
 

 ④壁
 多くのカエルは壁に張り付いて鳴いています。

排水口とコーナーは大きなオスが陣取っている傾向が見られました。
連続6日間、コーナーを占領している大きなツノ君 ↓

オスが好んで鳴く場所を見る限り、メスを見つけ易い事を考えていない気がして不思議に思いました。自分が鳴き易い場所を選んでいるように思えます。
本の情報によると、「オスは田んぼの真ん中にいては不利、だから畔にいる事が多い。しかし、田の中や離れた所でも鳴いている。」とあります。
プールの中にいては、外から来るメスをいち早く見つけるのは不利で、縁にいた方が良いのではないかとも思えます。
しかし、メスの行動を見てこの疑問は解決しました。後日書きます。

2015年12月22日火曜日

月による鳴き場所の違い

プールのアマガエルが合唱する時は、どの様な所で鳴くのでしょうか。
それは、月により違います。
4月は、多くのカエルはプールの水の中で壁につかまって鳴いています。 ↓
一部のカエルは、プールに浮かんだ枝や発泡スチロールの蓋の上でも鳴き、少しは縁でも鳴きます。
   4月壁につかまって鳴いています。 ↓
 
体の半分は水から出し、前足は水から出して貼りついています。↓ 
 

 ↓発泡スチロールの蓋の上で鳴くカエル


5月末から、プールの縁で鳴くカエルが出て来ます。

徐々に水の中で鳴くカエルより、縁の上で鳴くカエルが多くなり、
7月になるとほとんどのカエルが陸上で鳴き、水の中で鳴かなくなります。↓



この月により鳴く場所が換わるのは、なぜでしょうか。?
鳴くのは水の中より陸上の方か゜鳴き易く楽と思います。
壁に向かっているより陸の方が、先にメスを見つけ易いと思いましたが、この事はあまり関係しない事が分りました。(理由は後日書きます。)

観察時の外気温と水温をグラフにして見ました。↓
4月の初めは、外気温は平均15℃と低く、水温は15℃以上とやや高い事が分ります。
水の中は風の影響も少なく体感温度が高いのだと思います。



外気温がは20℃以上になると、外で鳴くカエルが増え始め23℃以上ではほとんどのカエルが外で鳴くようになりました。

4月と7月は鳴く 場所が換わるのは、外気温と水温が影響しているのではないかと推測しています。
もう一つ、プール内の水生昆虫が成長した事も考えられます。
6月位からプールはおびただしい数の水生昆虫が成長し、ミズカマキリも沢山いました。
アマガエルを襲う昆虫は少ないと思いますが、体にまとわりつくのでうっとうしい様子で足で追い払っていました。 くぼみにも沢山上がっていました。 ↓

2015年12月20日日曜日

カエルのビート板

 アマガエルは泳ぎは上手、「当然でしょう。」と  皆さん思っていますよね。

確かに、スーと速く見事に泳ぎますが、春にプールで観察していると、長距離は苦手なようです。
苦手と言えるか分りませんが、必要以上には泳がず、少し泳ぐと水面に浮かんだり、物や縁につかまります。
 ↓水面に浮かんで休むアマガエル
 
疲れて休むのかは分りませんが、泳ぎを楽しむ様子はありません。
 繁殖期の初めは、食べないで毎晩鳴くので心身ともに疲れている事とは思います。

泳いでいる時は、指をしっかり広げています。 前足は犬かきのように動かす事もあります。
 

人は、まだ上手に泳げない頃、ビート板を使って練習 しますよね。
アマガエルが桜の花柄をビート板代わりにして泳いでいるのを見ました。↓
写真がただ重なって映っているのではありません。
普通指は開いて泳ぎます。 花柄をしっかり握って長い事泳いでいましたから、ビート板として利用していたのです。
                  良く通っているプードル君 ↓
   こちらは、少しの間つかまって泳いでいました。  良く見かけるフロガマ君 ↓
道具を使うアマガエルの始まり ?

2015年12月18日金曜日

月による皮膚色の変化

プールに集まるアマガエルは茶色~緑色に変化する事が多い傾向にありました。

4月初めにプールに繁殖行動のために集まるアマガエルのほとんどは、茶色に黒の模様で、約1~2割が緑色でした。
  4月6日プールに集まっていたカエルは全て茶色でした。↓

4月末になるとだんだんと緑色のカエルが多くなります。
 4月27日に プールに集まったカエルです。 ↓

5月になるとほとんどのカエルが緑色になりました。
 5月27日にプールにいたカエルです。↓
5月末になると、4月にいたカエルは少し入れ替わっています。(その様子は後日報告します。)
↓ 4月初めからずっと通っているシイタケ君 5/20日には緑になりました。
プールに集まるアマガエルの多くは4月は茶色で、だんだんと緑色に変化する傾向が見られました。

我が家で過ごしているカエルは、5月は緑で7月頃から茶色や、灰色になったカエルがいます。↓
エルミは初め少し緑がかっていて茶色になり、アヤメはずーと茶色です。
我が家のカエルは夏から秋に茶色になります。
プールで見るカエルと月による色の変化が少し違うのです。

プールのカエルも5~7月緑になり再び茶色になるのでしょうか。 疑問です。