2015年1月31日土曜日

アマガエルは優しい

ヒキガエル・トノサマガエル・タゴガエルなどは、メスの取り合いをします。
一匹のメスに何匹もしがみつき、横どりもします。
ですから、オスはメスを放さないように、強い力でしがみつき、締め付けられたメスは命を落とす事もあるそうです。

追記 2/11 ヨーロッパヒキガエルは、横どりする。金沢城のヒキガエルは、一匹に数匹しがみつく     事はあっても、強く締め付けるので、横どりはできないそうです。
    ヒキガエル以外のカエルにもしがみつき、締め付けられたカエルは、命を落とす事もあるそう    です。
    (「金沢城ヒキガエル」 奥野良之助著より)

ナガレタゴガエル ↓ 強い力で締め付けています。
 (山渓ハンディ図鑑 9 日本のカエルより引用)

 ニホンアカガエルも、 ↓

 では、アマガエルは、 ↓ そっと優しく手をかけてます。
ほとんどのオスガエルは、そうしていました。 ↓
たまには、脇を押えてますが、胸を締め付ける事はないようです。
 (図鑑などでも調べました。)↓

  だから泳ぐ時も苦しそうでなく、スムーズに泳いでました。↓
 
アマガエルは優しいです。

なぜアマガエルは、このスタイルになったのでしよう 。?
それは、 一度カップルになると、横どりされる心配はない事と、メスは産卵のため泳ぎ回るので、泳ぎ易くしているのではないか、と思いました。

なぜ横どりしなくなったのでしょうか。?  

2015年1月28日水曜日

カップルになれるオスは?

アマガエルは、どのようなオスがカップルになれるのか、? 

本によると、
 「オスは、水辺で鳴き、その声に惹かれ近くに来たメスと、カップルになろうとする。
メスは強いオスを選ぶため、振り払い逃げるが、一度カップルになると、オスは離れない。」
と書かれてます。

これだけでは、良く解りません。
私は、メスがオスを選ぶ事ができるのか? 興味があります。
オスが、メスがどの位近づいた時に、メスと判断できるかが重要になると思います。
オスとメスとの出会いの瞬間を観察したいのですが、かなり困難です。

 ハイイロアマガエルは、長く頻繁に鳴くオスがモテると言う事が明らかになっているそうです。
 ニホンアマガエルも、あれだけ懸命に大きな声で鳴き競っていますから、鳴き声は関係する事   は間違いありません。
 大きなオスは低く大きな声で鳴きます。
 若いオスは、高い声で小さく、リズムも不安定で長く鳴けません。(6/3ブログ)

では大きなオスが、カップルになる確率が高いのでしょうか。?

昨年見たカップルのオスは、全て中位のサイズのオスでした。
9カップルのうち
 35mm1匹 34mm1匹(同じ個体2回)  33mm1匹  31mm1 匹  他4匹は不明

測定できなかったカップルのオスも、大きいとは思えません。 ↓
36mm以上のオスは、たくさんいたのにカップルは一匹も見ませんでした。
30mm以下のオスも、カップルはいませんでした。
この激しい競争の中、二回もお嫁さんを見つけた幸運なカエルもいました。
マルミちゃん34mm ↓

  アマガエルは大きくなくてもチャンスはある。
 昨年の観察では、中位のカエルが多かったですが、まだ大きいより、中位との結論は出せませ  ん。

訂正 以前2014.12.4「 繁殖期の夜の色」で、田んぼよりプールは、緑でないカエルが多いと
    書きました。
    写真を見ると、5月は、茶色が多く、7月は緑のカエルが多く見られました。
    そして、同じカエルが、日が過ぎると緑っぽく変わっていました。
    プールは、緑のカエルが少ないのではなく、緑に変色するのが、遅かったためでした。
    プールの方が、緑に黒い雲形模様は薄いカエルが多かった。      

2015年1月25日日曜日

水辺に通う日数

繁殖期は、ほとんどのアマガエルは、田んぼの近くに行くと思います。 (前回のブログ参照)

オスガエルたちは、夜は水辺で鳴き、昼間はそのまま水辺で過ごすカエルは、一つの田やプールで1~5匹見ますが、ほとんどのオスガエルはいません。
   1日のみ、昼間プールの縁で過ごしていたボスと名付けたカエル ↓推定4歳 41㎝
 
繁殖期の昼間過ごす場所を知りたくて、田んぼの周りの草むらや林の中(↓)を探しましたが、一匹も見つける事はできませんでした。
プールの周りの木や建物にもいませんでした。  
 オスガエルは、昼間過ごす所から、どの位の割で、水辺に通って来るのでしょうか。?

昨年プールの縁(水辺)で鳴いているオスの写真を約32日間(5/27~8/19)撮り、調査しました。
 (調査が5/27~と繁殖最盛期を過ぎているので、正確な判断はできません。)

  その間に見たカエルは、述べ300匹位で、写真に撮れたのは、その3分の1位、個別の判断ができたのは、73匹でした。
 背中の模様で個別判断して名前を付けて、何日にいたか調べました。↓

その中で6日以上みたカエル7匹のみ、表にしました。
  ボス 取っ組みあいの喧嘩、大きいオス  41㎝ 推定4歳    ある期間ほぼ毎日
   ウサコ 大きくて目立った           38㎝ 推定4歳    ある期間ほぼ毎日
    パパ 我が家に来て繁殖したオス      33㎝  推定2~3歳  
  マルミ 2回カップルになったモテたオス   34㎝ 推定2~3歳  
 スペード                      35㎝ 推定2~3歳
 ブイ                          36㎝ 推定2~3歳
 ヒシャク                      36㎝ 推定2~3歳
  (7月中頃以降は、繁殖期は過ぎているので、来なくなったと推測)
全73匹のうち、ほぼ毎日~かなり多く通って来たのは、以上7匹
見落としたカエルがいたとしても、時々しか来ないオスが多かった。 
潜在的繁殖速度 オス4日間  メス23日間 (一回の繁殖から次の繁殖までにかかる日)

この表から分かった事
 調査が、繁殖期の最盛期を過ぎていたため、どの程度の割合で通ってくるか、正しい判断はできないが
 ①ほとんど毎晩水辺で鳴くオスガエルがいる。
 ②5月末からは、毎晩鳴くオスの方が少ない。(5月は不明)

2015年1月20日火曜日

1歳は恋より命?

繁殖地の1歳の雄ガエルが少ない理由

前回のブログで、「プールにいた1歳の雄ガエルが少ない。」と書きました。
生存率から考えると、多いはずです。

少ないと感じた理由を考えました。
 ① 私の推測する1歳の体長(25~30mm)が間違っていて、実際はそれより大きい。
 ② 1歳のカエルは、繁殖地に行かないものもいる。
 ③ 1歳のカエルは、繁殖地の近くまで行くが、水辺まで行かない場合がある。
   水辺まで行っても鳴かず、逃げたり、ジッとしていないので、視野に入らなかった。

① 1歳の体長について、もう一度検討しました。
 ある調査によると、
  ○繁殖地で見つけた全アマガエルのサイズ平均は、 31mm 
  ○10月~翌年の5月の冬眠明けまでは、成長しない。
   田んぼで、10月に見た最大は28mmだった。
 私の観察によると
  昨年一番早く生まれて大きかったクロも、冬眠前30mm、他のカエルの記録からも、
 サイズは、大きな間違いはないと考えた。

② 1歳のカエルは繁殖地に行くか。
  昨年春、庭と畑で見たアマガエルは、4月10日~5月20日までで、その後一ヶ月間は、一匹も見  ていない。毎年、5月初めから6月初めは見ないので、ほとんどのカエルが繁殖地に行くと考えら  れる。 
  2014年 4月~5月畑と庭で見たカエル ↓
 
 今年5月20日に25mm位のカエルを一回だけ見たが、その後は見なかった。 ↓
  5月13日に見たカエルは、2歳位で、繁殖から帰って来て立ち寄った様子であった。
 ほとんどのアマガエルは繁殖地に行く、ただし幼いカエルは遅れる事もある。

③ 繁殖地まで行っても、多くが水辺まで行き鳴くか。
  大きくて、一生懸命ないているカエルは、近くに行き側にメジャーを置いて接写しても
  平気であり、撮影しカウントできた。
  小さい才カエルは、鳴かないで、見物している様子である。また近づくと、水の中に跳びこんでし  まうので測定できなかったカエルがいた。
    1歳カエルは鳴かず、ウロウロしている。逃げる。↓
    追ってやっと撮影した。
   プールの縁にいないで、遠くにいる。 
 大きなアマガエルでも、毎日プールの縁に来て鳴くのではなく、休む日もある事が解った。
   (後日報告)

以上から 1歳のアマガエルが少なかった理由は、
 1歳のカエルは、繁殖地には行くが、水辺に通う日も少なく、ジッとしていないので視野に入 らず、少なく感じた。
と考えました。
 水辺で懸命に鳴くことは、危険が多いので、避けるのではないか、と考えました。

 2014年の観察からは、 一歳は、恋より命優先 仮説を立てました。   

2015年1月17日土曜日

アマガエルの寿命

アマガエルの寿命について、ネットで調べました。
前回のプールにいたカエルの体長とその数について考察するには、寿命と繁殖開始年齢を知る必要があります。

飼育下では、「アマガエルとくらす」には、14年生きたと書かれています。
他にも、10年、8年生きたとの報告もありました。

野生では、多くが5歳くらいと書かれていますが、はっきりした根拠は書かれていませんでした。

私が、信頼できると思った論文を紹介します。

「両性類の年齢と寿命」 草野保 (詳しくは検索してください)

これによると、野生アマガエルの寿命は、4歳だそうです。
アマガエルの指の骨を切り、顕微鏡で見ると年輪になっていて、それで年齢が分かり、調査した結果だそうです。
またその年輪の成長が落ちたところが、繁殖を始めた歳なので、アマガエルの場合は、多くは1、23  多くは2歳だそうです。

 昨日のブログ、「体長と数」では、2~3歳と考えられるアマガエルが多くいて、
オスの繁殖開始は、2~3歳(多く2歳)と一致しました。

野生のアマガエルの生存率について調べましたが見つかりませんでした。

野生のヒキガエルについては、「健康寿命」大学教授 後藤佐多良があります。
 
 
野生のアマガエルの寿命が4年として、ヒキガエルを参考に推測すると、アマガエルの場合は、
大よそこのようになるのではないかと、イメージしました。↓


昨日のブログ「体長と数」から疑問に思ったのは、一歳と考えられるアマガエルの数が少なかった事です。
野生のアマガエルの40%は、一歳で多いはずです。
私の計測ミスでしょうか。?
一歳のアマガエルは、繁殖期はどこにいるのでしょうか。? 

続きます。

2015年1月16日金曜日

アマガエルの体長

図鑑によるとニホンアマガエルの体長は、オス20~40mm メス20~45mm となっています。

私の測定方法は、側にメジャーを置き測定します。
今までの結果   (測定は7月)
 変態直後 10mm~20mm 前後
  1歳     25~28mm 前後
 2歳     測定できず
 3歳     35mm 前後
 4歳     測定できず
   変態直後 飼育下で変態した小さいカエル ↓10mm位 
         このように小さいカエルは野生では、見た事ない。育たないと思うので例外。

プールのオスの体長
家で暮すアマガエルでも、メジャーを側に置くと逃げるので、測定は困難だった。
ところが、プールの繁殖期のオスは、鳴く事に集中しているので、側にメジャーを置いて撮影しても
逃げなかった。(ただし若く、鳴いていないオスガエルは逃げる事が多かった。)

それで、体長を測定してみた。

期間 6/19~8/11
方法 カエルの側にメジャーを置き、なるべく真上から撮影、後写真で計測。↓
 
 伸ばした姿勢と丸くなっている姿勢では、3mm位違う事があったので、真ん中の姿勢
(左)に大きさにより修正した。 ↓同じカエルです。

結果
一番おきなオスの体長は、41mmだった。
鳴いているオスは、30~40mmのオスが多かった。
30mm以下のオスは、逃げたので撮影が少なくなったが、それでも数は少なかった。

感想
約30日間 200匹位の体長を測ったが、問題が多く、考察まで至らなかった。
 測定の問題
   ① 測定期間が6/19~8/11と幅があるので、その間に成長してしまった。
    ② 1歳位のオスは、まだ繁殖能力がなく逃げるので、測定できた数が少ない。
    ③ 緑色一色のカエルは個別の判断ができず、重複して数えている場合がある。
   ④ 測定できない場所にいて、計測できなかったカエルがいた。
 
プールで鳴いていたオスの体長別に数で表した。↓
個体の識別が困難で 、重複している場合がある。
35mmが多いのは、そのためかも知れない。

左の推定年齢は、私のイメージです。
年齢とともに、成長率は低くなるそうです。

2015年1月13日火曜日

上手く鳴けない

昨年プールで観察していると、上手に鳴けないけれど、頑張るアマガエルがいました。

 鳴き方が下手ではなく、先天的に、障害があるのかもしれません。
自分でも上手く鳴けない事が解っているようですが、頑張ってました。

でも、上手く鳴けなくても、チャンスはあります。運もあるようです。 
昨年私が見たカップルのオスは、中くらいの大きさでした。
大きいオスは、鳴き声も大きい傾向がありました。
ですからメスを見つけるのは、、鳴き声が大きいだけではないようです。

アマガエルは、一度お嫁さんを見つけると、取られる事はありません。
カップルがいても、他のオスガエルは、興味がないようでした。↓

2015年1月5日月曜日

アマガエルの合唱の期間

               あけましておめでとうございます。
                   今年もよろしくお願いします。

我が家で暮らすアマガエルが、生まれたと思う田んぼです。↓(本日撮影)
山は、中央アルプスの南部です。お正月に雪が10㎝ほど積もりましたが、ほとんど融けました。
雪は少ないですが、寒い所です。  黄色の丸の当たりに我が家はあります。


アマガエルの合唱の期間

西湘高校 (神奈川県西部)
 「真夏にアマガエルの合唱はなかった。」と言うテーマの研究がネットに出ていました。
それによると、
「田んぼでのアマガエルの合唱は、5月中旬から6月中旬が合唱のようであり、
その後は減り始め、7月の初めからは、全くではないが、あまり聞かれなかった。」
とあります。

昨年の合唱の期間をまとめてみました。
田んぼでの合唱の大きさは、測定する道具はないので、耳で聞こえた感じで正確ではありません。
プールでの合唱は、7月末以前は、鳴いていた数に比例したので、推定できた。

田んぼでの合唱
 田んぼ(B)は、水が4/26に入ると鳴き始め、5/6にピタリと鳴かなくなった。
 これは、ヤマアカガエルの産卵と、他のオタマジャクシが沢山いた事によると推測している。

田んぼ(A) (家の近く 上の画像の田)
 4/30 水が入ると、突然鳴き始め、大合唱の時は、家の中にいて窓を閉めても聞こえた。
 6/6   頃から窓を閉めていると、聞こえにくくなり、小さくなったと感じた。
6/18  2~3匹のみ鳴く程度になった。この頃から変態したカエルが上陸を初めた。
7/13  突然全く聞こえなくなった。田んぼに水がなかった。
7/20   再び少し聞こえた。田んぼに水が入っていた。
7/31   以降全く聞こえなかった。 水は入っていても鳴かなかった。

プールの場合
     鳴き始めの日は不明だが、5月前から鳴いていたとの情報あり。
5/27  34匹の大合唱で、威嚇の声も頻回に聞こえ、取っ組み合いの喧嘩も見られた。
     プールでは、カエルの数と合唱の大きさは、ほぼ比例していた。10匹以上いれば、大きく      聞こえた。波はあったが、続いていた。
7/27  プールがお掃除され、水が綺麗になり塩素臭くなった。 大きなカエルは少なく、小さいカエ     ルの割合が増え、声も小さく、とぎれとぎれの鳴き方で、全く熱意がなくなった。
8/~ 2~3匹ほんの少し鳴くだけ、いても鳴かないカエルがいた。
8/18  3匹いたが全く鳴かないので、観察終了とした。

 以上を正確ではなく、イメージ程度だが、図にして見た。 



 まとめ
田んぼでは、
 4月末頃に、水が入ると鳴き始め、6月初め少なくなり、水がなくなるとほぼ終了する。
 西湘高校の研究とほぼ同じであった。

 プールでは、同じく6月初め頃より、少なくなるが、7月27日プールの掃除が行われるまで、合唱は続いていた。産卵する環境があれば、7月も鳴くのだと考えられる。
 8月は、プールの水は、塩素臭く循環されていたので、環境があったと言えないので不明。
 
        塩素臭いプールで鳴くアマガエル ↓

 
 プールの掃除後は、小さい若いカエルが多かった。
3㎝以下なので、1歳と推定。繁殖能力はないかもしれない。