2016年1月29日金曜日

プールのカエルの分散時期

アマガエルはオタマジャクシからカエルに変態すると、生まれた所から生活する場所に移動します。それを分散と言います。

 プールでは、前足が出てから幾日位で分散して行くのか、調べました。
亜成体(カエル)がプールの敷地から出て行くところを、実際に調べる事はできません。

 亜成体は前足が出てから体は急変するので、何日目か推定できます。
 2日目以降の亜成体は一度上陸すると、再び長い時間水の中に戻る事はありません。
それで、 上陸している亜成体を成長の程度で分類して数え、翌日と比較すれば、新しく上陸した亜成体と、出て行った(分散)大よその数は推定できると考えました。

調査方法
夜20~21時にプールの縁や浮遊物に上陸している亜成体の写真を撮り、前足が出てから何日目かと、数を記録しました。
  (前足が出て約1日は水の中にいる場合が多いです。前足が出たばかりで、陸に上がろうとしない 亜成体は除きました。上陸していて水に逃げ、再び上陸しようとしている2日目以降の亜成体は数 えました。)

プールで上陸している亜成体は、縁にいて動かない事と、たとえ水の中にいても壁ぎわの水面にいるため、見落とす事はありません。繰り返し数え写真に残しましたので、正確に数えられたと思います。

 何日目かの分類について
プールでは同じ個体の変化を観察する事はできないので、飼育した同じ個体(タマちゃん)を参考にしました。
 ↓ 飼育のタマちゃんの変化の様子。
 変態の速度は温度と個体差に大きく左右されます。これは8月の温度は高く速い速度で変態した場合です。これより遅れる事はあると思います。

これを参考に、プールに上陸した亜成体を5段階に分けました。
 尾の長さだけでは判断が難しい場合は、皮膚の色と顔の様子で判断しました。
判断が難しい個体もいましたが、2日以上の判断ミスはないと思います。
 :
この5段階で分類しました。
 例 6月28日の場合  1~2日目 2匹  2~3日目 3匹  3~4日目 3匹
 となります。(最後の亜成体は尾が貼りついてます)
 

この様に分類し、グラフにしました。↓
グラフの見方
横の棒はその夜に上陸していた数です。変態の過程を5段階に色分けしてあります。
 例 24日は、1~2日目が3匹 2~3日目が3匹 3~4目が1匹の合計7匹いました。
 赤の四角はいなくなったと推測できる亜成体の数で、分散か事故(捕食)によります。



この表で単純に推測すると、1~2日目のカエルの総数93匹が今年育ったカエルとなります。
変態の速度は個体差もあるので、分類を誤った可能性はあり、93匹より少なかった可能性はありますが、見落としは少ないと思いますので、誤差は少ないと思います。
あまりにも少ない数に驚きました。
飼育では、一組のカップルから100匹以上は確実にカエルに変態し分散できます。

分散の時期は、5~6日目の尾が無くなってから出て行ったのは、9匹だけで、多くは尾があるうちに出ていってしまいました。これは分類の誤りはありません。
特に16日は1~2日目が9匹 2~3日目が1匹でしたが、17日には全匹いなくなりました。
 16日にプールにいた亜成体 ↓

この状態で外に出て、無事生きられるのかとても心配です。

飼育の亜成体もまだ尾があるうちに分散に出ようとします。それで危険なので尾がなくなるまで保護しました。
田んぼの亜成体は、何時分散するのでしょうか。
今年観察したいと思っています。

2016年1月28日木曜日

ゲンゴロウ幼虫 (お詫びと訂正)

1 月25日のブログ「プールのオタマジャクシの天敵」のコメントで、Sさんから
ゲンゴロウは幼虫の方が危険な気がする」と教えていただきました。
それで、ゲンゴロウの幼虫をネットでしらべると、↓
私がプールで捕獲くした水生昆虫です。↓
 ブログでトビケラと書いてしまいましたが、違いますね。 ゲンゴロウの幼虫な気がします。
 ゲンゴロウの幼虫だとすると沢山いましたから、Sさんのおっしゃる様に危険な天敵です。


トビケラをネットで調べると ↓ 

これはプールに沢山いた水生昆虫で私が撮影しました。 これがトビケラかも知れません。

1月25日のブログを訂正しました。間違えた事お詫びいたします。
Sさんありがとうございました。

2016年1月27日水曜日

プールでの上陸は過酷

プールで上陸する亜成体は厳しい現実が待っていました。

プールの縁と外側はコンクリートになっていてとても高温なります。 昼間の暑い時に縁に上ったり、コンクリートに出てしまうと、たちまち脱水になってしまいます。
戻る事も大変になります。

亜成体の尾はヒレがゼラチンのようで、乾いたところに付くと、貼りついて取れなくなり、大変危険です。

 飼育の亜成体が尾が貼りつき取れないで、犠牲も出ました。↓
 
 尾が邪魔で動きが悪いと、直ぐに蟻の集団に襲われ、命はありません。
生きているのに蟻の集団に襲われているのも見ました。蟻は追いましたが助かりませんでした。
コンクリートの上で犠牲になった亜成体を3匹見ました。↓
 とにかく尾があるうちにプールから離れるのは危険ですが、尾があるうちに外に出て行くようです。
 出ようとしている亜成体 ↓  大きな蟻が側にいます。

夜も危険です。哺乳類の天敵がいた形跡がありました。糞がありイタチのようです。

プールで観察していて気付いた事は、亜成体同士が集まっている事はありませんでした。
全て離れて一匹でいて、そして近づいて接写しても、逃げようとせずじっとしていた事です。
我が家の飼育の亜成体の多くは集まっていました。そしてカメラを向けただけで、それに気付いた亜成体が水に跳び込みます。すると次から次へと跳び込み逃げてしまいます。↓
 
 田んぼの場合も同じで、亜成体は集まっていて、一匹が跳び込むと後に続いて逃げます。
 プールは広く数がすくないので集まる事ができません。一匹でいると逃げるのが遅れリスクが高くなるように思いました。


プールに比べると、田んぼの環境は幸せです。
周りは草むらで高温になる事も、尾が貼り付く事もないでしょう。 もちろん土から吸水もできるので脱水もないでしょう。
 
 プールに比べれば、草に隠れられ、天敵にも見つかり難いでしょう。
 
それから気になったのは、種のようにな物が沢山ついている亜成体がいました。↓

何か分りませんでしたが、害はあるのでしようか。 
害はなくてもこんなものが付いたら可哀そうです。

プールの亜成体は過酷です。
次は、プールから出て行く(分散)の時を推測します。

2016年1月25日月曜日

プールのオタマジャクシの天敵

プールには、沢山のアマガエルが産卵しますが、育ったのは僅かです。なぜでしようか。
大きな理由は、天敵となる水生昆虫だと思います。

プールにはどのような水生昆虫がいるのか、ネットで調べました。
天敵
マツモムシ類  ゲンゴロウ類 タイコウチ類 ミズカマキリ類 ヤゴ類(トンボの幼虫)
 天敵でない水生昆虫
アメンボ類 カゲロウ類(幼虫) トビケラ類(幼虫) ユスリカ類(幼虫) コミズムシ(幼虫) イトミミズ 

実際に観察した水生昆虫
マツモムシ  4月からすごく沢山いました。 オタマジャクシに消化液を入れて吸い取る恐ろしい敵です。アマガエルの側にも沢山寄っていました。


ミズカマキリ 
  5月から観察    
毎日、プールの壁附近にいるのだけで、数匹目にしました。プール全体ではかなり多くいたと思います。見つけたのは捕獲しましたが、次の日にもまた同じようにいました。実際に犠牲になっているオタマや亜成体も見ました。大変恐ろしい天敵です。
 

ヤゴ類 4月は分りませんでしたが、6月から沢山いました。
沢山いた事と、大きいのでかなり犠牲になると思います。


ゲンゴロウ コオイムシ 数多くは見ませんでしたが、深いところを泳いでいる事もあり、暗いので見つからなかったのかも知れません。プールは広いので多くいた可能性もあります。
 

以下は、天敵になるとは思えませんが沢山いました。
アメンボ類  アマガエルにまとわりつくので、足で蹴ったりして嫌がってました。↓
 
 カゲロウ類 無数いましたが天敵ではないようです。 ↓
 
トビケラ類 も多くいましたが、天敵ではなさそうです。
1月28日 追記 訂正とお詫び 
トビケラと書きましたが、ゲンゴロウ類の幼虫のようです。Sさんありがとうございました。

 その他私の観察では、 プールの外に、イタチがいて、変態して上陸した場合危険です。
 蟻もジッとしている亜成体には天敵になります。

  田んぼのアマガエルの天敵になる、ヘビ・イモリ・タイコウチ・カラス・サギ類は見ませんでした。
田んぼと比較すると、マツモムシ・ミズカマキリ・ヤゴは比較にならないほど多くいます。

プールで育つオタマが少なく、短期間しか育たないのは、天敵が影響していると思います。
4月末はまだ温度も低く、成長が遅いため犠牲も多く、また5月末からは、ヤゴやミズカマキリが成長して増え、犠牲になるのではないかと思います。
5月初めから末までの産卵される卵の数が多い時のみ、何とかのがれた幼生だけが、生き残れるのではないでしょうか。産卵された卵が少ない時は、全て犠牲になってしまうのかも知れません。

そして、上陸した亜成体ガエルには、更に厳しい現実が待っていました。次回に書きます。    

2016年1月23日土曜日

有効産卵日

プールでアマガエルの亜成体が、水から上陸したのは、6/22~7/16日の間でした。
7/17日以降、上陸した亜成体はいませんでしたが、プールにはまだ数匹の小さなオタマジャクシはいました。
 自然の状態では、変態は無理か極僅かだったと思いますので、7/16日までとします。
   7/20 残ったオタマ数匹は、プール掃除のため保護しました。 ↓
 
 アマガエルのカップルが確認できたのは、4/21~7/19 までです。↓
 プールでは、4/21~7/19までの長い間多くのカップルが見られ、水もあったのにカエルに変態できたのは25日と短い期間でした。(14年は21日間)
その上陸した期間から、有効産卵期間を推定しました。
  (有効産卵期間とは、産卵された卵が育った期間です。)
産卵から前足が出るまでは、水温により大差がありますが、プールは20℃以上ありましたので、参考文献と経験から、約40日~55日と推定しました。飼育では60日以上かかるオタマもいますが、自然では弱い個体は育たないので、55日位までと思います。

 産卵有効期間を逆算すると、5月連休明け位から、5月末前頃までと思います。↓
6月には多くのカップルが見られましたが、産卵されても育たないのが現状です。

田んぼの場合も、上陸は6月の20日前後から二週間位で、7月には中干が始まるのでそれ以降はありません。

論文で、「アマガエルの繁殖期は短かった。」 西湘高校では
 「アマガエルの実効産卵期間は、5月中~末までである。」 とあります。

この論文と同じと思いました。
なぜ5月末以降の卵は育たないのでしょうか。

ネットの情報では、「大きくなったオタマと後から生まれた小さなオタマを一緒に飼うと、後の小さなオタマは育たない。」とありました。田んぼでは、大きなオタマと小さなオタマが一緒に泳いでいます。田んぼやプールは広いですが、そのような事はあるのでしょうか。

理由の一つに、天敵の影響がありますので、次回に取り上げます。

2016年1月20日水曜日

プールに上陸した亜成体の数

昨年 2015年 プールで育ち上陸した亜成体ガエルの数を調べました。
縁に上がっていたり、縁の壁につかまり体をほとんど出して、ジッとしている亜成体を数えました。
 前足が生えていても、長く水の中にいて縁に上がろうとしない亜成体は数に入れていません。

毎日、20~21時に数を数え、一匹づつ写真に撮りました。↓

プールの縁にいる亜成体は、近づいても水に跳び込む事はほとんどなく、撮影できます。
 (家のミニ池の亜成体は直ぐに跳び込みます。理由の推測は後日に。)
たとえ跳び込んでも、再び上がってくるので、数は正確です。

 飼育で観察したところ、前足が出て1~2日はほとんど水の中にいる亜成体が多いです。

始めて上陸したのが、6/22で、最終は7/16日でした。17日の昼に一匹いましたが、その後上陸した亜成体ガエルはいませんでした。
 
  2014年は、計測は毎日しませんでした。
 2015年は、7/4,5とできなかっただけで、それ以外は全て計測しました。↓  
 
 昨年(15年)は、亜成体ガエルがプールの縁にいたのは、6/22~7/16の25日間で最高24匹でした。
14年は、6/21~7/11日の21日間で最高93匹でした。
 2年を比べると、数は約四分の一と激減しました。

昨年(15年)は、近くの田んぼもオタマと亜成体カエルが激減し、我が家にきた0歳カエルは少なかったです。
ある山の中の田んぼには沢山いました。

2016年1月15日金曜日

プールのオタマジャクシ

アマガエルのプールにおける繁殖期の行動を、まとめてきました。
あと残っているのは、個体別プールにいた日数ですが、個体識別が困難で、まだ集計ができていません。
途中ですが、プールに産卵され変態したアマガエルの事を先に書きます。

2015年、プールでのオタマジャクシの様子
  4月 5日  合唱始まる。
  4月21日  カップル確認。
   (4月23日  最初の産卵日)
  4月27日  孵化1~2日前の状態確認  
      
       その後は観察できず。

  5月19日 体長約1㎝位のオタマジャクシ数匹確認。
    水温は20℃以上あったので、産卵後7~10日後と推定。
  5月24日  体長1.5~2㎝ 数は少し多く確認できるようになったが、非常に少ない。
 
  6月16日 後足が大きくなっている
6/22 日 プールでの上陸開始。
しかし、この日に確認できたのは、たったの1匹だけでした。

2016年1月10日日曜日

暖冬

今年の冬は暖かいです。
野原は、緑も多くタンポポが沢山咲いています。

 梅の花も咲いています。

繁殖期のプールのアマガエルのまとめは、個体識別が想像以上に難しく難航しています。
更新が遅れます。

2016年1月5日火曜日

個体別日別の鳴き場所

アマガエルのオスがプールで合唱する時、お気に入りの場所がある事を書きました。
では、毎日同じ場所で鳴くのか、換えているのか、縄張りのような決まった場所はあるのか、調べました。

 4月に良く通っていたオスを調べると、
一番多かったのは、限られた範囲で鳴く個体が多かった。
    例 キョウリュウ君は、北よりの東の壁と北の壁にいた。

次に多かったのは、プール全体何処にでもいた。
    例 ヘリコプター君 一日のうちでも、あちこち移動して、縁で鳴く事が多く見られた。
      他のオスより一回り小さかったのに、22日は早くもカップルでいた。↓
 
    
ほぼ 同じ場所で鳴いていたのは、ツノ君だけであった。
 ツノ君は、南西のコーナーにいて他のオスが近づくと威嚇し、その声はプール全体に響き、姿も大きくて貫禄あるオスであった。
これは、縄張りと言えると思う。
 
 まとめ
プールの4月におけるアマガエルの日別の鳴く場所は、個体により様々であった。
 範囲が限られた場所で鳴く個体が多く、次にあちこちと場所を換える個体もいた。
ほとんど同じ場所でなく個体も少ないがいた。

限られた範囲では、プールの東側の壁が一番多く、次は北の壁であった。
アマガエルは、発泡スチロールの蓋・花びら・ゴミなどが浮かんでいる所を好む傾向にあり、風の関係で東と北に集まっていた日が多く、その方向に集まる事が多かったと推測している。

2016年1月2日土曜日

交互に鳴く

                                     あけましておめでとうございます。
                     今年もよろしくお願いします。

前回のブログで、アマガエルのオスはある程度集まって鳴く傾向があると書きました。
そして、並んで鳴いている時は、ある程度の間隔を開けています。
その距離は、様々で、10㎝位でも仲良く鳴く場合と、30㎝位離れていても威嚇して喧嘩になる場合もありました。
近い距離で同時に鳴けば、どちらのオスの声か分らないでしょう。
それで交互に鳴きそれぞれの声が分るようにしています。↓


 (「アマガエルの合唱には法則があった」 理化学研究所、東大・京大研究チーム
  で解明されています。)

 中には、相手とテンポを合わせず自分勝手に鳴くアマガエルもいます。
  (2014.6/2  6/3  のブログ)
また、鳴くのが下手な若いカエルは合わせる事ができません。
           一定のテンポで鳴けない若いカエル 声も高いです。 ↓

「そんな所で鳴いていたら、メスも来ないよ。」 と言う所でも鳴いていました。若いカエルでしょうか。?  「恋より命」のようです。
 プールの排水パイプ深くで鳴くカエル ↓