2014年12月29日月曜日

プールで変態したカエル

5月27日、廃校のプール(10×15m)に体長2㎝くらいのオタマジャクシがいました。1㎝くらいのも、僅かにいましたが、同じに日に産卵されたかは、成長にはかなり差が出ますので、分かりませんでした。

壁に張り付いていたので数えると、10mに約80匹いて、同じように散らばっていたので、大よそ400匹、見えなかったのも100匹くらいはいたと思えるので、大よそ500匹くらいでしょうか。↓
 (図鑑によると、アマガエルは、250~800ヶ産卵するそうです。)
 
しばらくして数は減ったと思いましたが、水質が悪くなり数える事はできませんでした。
6月21日 10匹がプールの縁に上陸を始め、7月11日に上陸終了。これ以後は、オタマジャクシを見る事もなく、プールでカエルは育ちませんでした。


  上陸した数を数えましたので、グラフにしました。
 グラフ上 プールで上陸したカエルの日と数 (縁に1~3日は留まるので数は重複している)
 グラフ下 家で生まれたオタマジャクシに前足が出た日と数 (全116匹 数は重複していない)
※ グラフ下 29、30日が多いのは、救出し遅れたオタマジャクシを入れたためである。

飼育のグラフ(下)から分かった事

  同じ日に産卵されたオタマジャクシが変態するには、
 約20日間の幅があり、中の日が多く△形になる
  ( 但し、成長は水温の影響が大きいので、田んぼや温暖な地方は異なる )

 この事から推測すると、プールで上陸したカエルもほぼ20日間で、△形である事から、
 同じ日かそれに近い日に産卵されたものだけが育った事になる。
 産卵は、5月連休後から、中頃と考えられる。

 その後の5月27日~8月6日までに、6カップルのアマガエルを見ていて、ハッポースチロールの箱に、日を換えて数回産卵されていた。そのオタマジャクシは救出した以外は、育たなかった。

 

プールには産卵可能なアマガエルがいたのに、プール内では育たなかった。

考えられる理由は
  ○プールには産卵しなかった。
     プールの広さとオタマジャクシの数が限界だったので避けた。
     プール内に捕食する生物がいて、避けた。
       この場合、オスが合唱してメスを呼んでいたのは、少し疑問である。
       危険などは、メスだけが判断するのか。?
       ※今年春、オタマジャクシが沢山いた田んぼだけ、合唱がなかった事を経験した。
 
  ○産卵されたが、何者かに捕食され育たなかった。
       文献では、アマガエルの共食いはない。とされている。ただし死体はする。
      プール内は、沢山の水棲昆虫がいて、日とともに成長して行った。
   
ごく限られた時期しか育たなかったのは、今年だけかもしれないので、まだ観察を続けなけれ   ばならない。水棲昆虫も、それも調べる必要がある。

   ツチガエルもいた。ヘビやイタチは見なかった。 ↓ 
追記 (2015 1/5)
 プールで育たなかったり、ハッポースチロールに産卵した理由について。
 laさんよりコメントをいただきました。(詳しくはコメント参照)
 「天敵の問題は大きいが、他には、プールは水深が深いのと、水温が低い。
 アマガエルは浅い所に産卵する。水温が低いと、変態するまでに日数がかかり、それだけ
 天敵のリスクが高くなる。
  ご意見ありがとうございました。

7 件のコメント:

  1. お転婆さま

    今年も残すところ3時間を切りました。

    テレビで紅白が流れていますが、コメント投稿に集中です(笑)

    プールでの産卵状況について、私もお転婆さんの仮説が正しいように思います。

    ひとつの原因でなく、複合要因と思いますが、各内容につきましては「強弱」があると考えています。

    春~初夏は、おたまじゃくしの人口密度との関わりが強く、夏以降は天敵の水棲昆虫によるリスクヘッジが強くなるような気がします。

    水棲昆虫の密度が高くなっていたこと。特に、ヤゴ、ゲンゴロウ。奴らはあまがえる(成体)も襲いますので。

    時期的に「産卵を避けた」ことと、既に多くのおたまじゃくしが捕食されてしまったことと、両方あると思います。

    あまがえるからすると、水棲昆虫はエイリアンみたいなものですから。

    でも、奴らの存在を、あまがえるはどうやって確認したのか?やはり目視??

    結構、視力良いのかな!?

    私も「ガン見」されて以来、あまがえるの「視力」が気になっています。何か情報がございましたら、ご教授ください。

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    1. 竹内様

      あけまして、おめでとうございます。
      昨年は、多くの事を学ばせて頂きました。
      また、大晦日の貴重な時間に、沢山のコメントをいただき、恐縮いたしております。ありがとうございました。
      今年もよろしくお願いします。

      大晦日のコメントが多かったので、驚きました。
      とても嬉しいです。厚くお礼申し上げます。

      直ぐにお返事するべきですが、子供達が家族で帰省しており、主婦としては、大忙しな日々を送っております。コメントをプリントして、家事の間に、台所で読んで、考え込んでいます。(笑)

      いつもそうですが、パソコンの前で考え込む時間が長くなり、直ぐにお返事できません。
      大変申し訳ありませんが、台風一家(3歳の孫)が去りましたら、少しづつお返事を書きたいと思います。失礼お許し下さい。

      宜しくお願いします。


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  2. お転婆さま

    あけまして、おめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

    12月は出張等でバタバタしており、せっかくお転婆さんが充実した記事をアップしていただいても、ぜんぜん返信できていませんでした。

    年末は少しじっくり物事が考えられる時間だできましたので、いろいろと書きましたが、いま読み返せば、うまくまとまっていなかったりと反省です。

    お転婆さんのお宅も賑やかそうで、良いですね。うらやましいです。もう少し大きくなったら、お孫さんと自然観察もできますね。

    この先、私への返信には、お気遣いなさらないでください。特にご興味を持っていただいた内容だけ、お時間ございますときにでも、ご返信いただければ幸いです。

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    1. 竹内様

      台風は去りました。沢山なコメントをいただき嬉しい限りです。
      先生のコメントは、考察の仕方などのヒントが多く、大変参考になります。
      同時に自分の無知に気付き、ブログを消したくなる時もありますが、訂正してお詫びしながら書きたいと思います。

      孫は、昨年の夏(2歳)アマガエルを見てから、「カエルさん見る」と言い、アマガエルには、特別の感情を持つようになりました。
      親戚や知人で、私の家のアマガエルを見た子供は、また見に行きたいと、言ってくれるそうです。
      先日、郵便局の方に、「カエルたちはどうしているの?」と聞かれ驚きました。 

      きっかけがあれば、生き物に対する気持ちが良い方に向くと思いました。

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    2. 竹内様

      プールの産卵について
      プールの水棲昆虫について、ネットで調べると、やはりヤゴ、ゲンゴロウ、マツモムシなど沢山いると書かれていました。
      初めてオタマジャクシを見た時は、そんなに水棲昆虫は気になりませんでしたが、上陸する写真には、1㎝もある昆虫が沢山写っていました。最後には、おびただしい数になり、気分が悪くなるほどでした。

      ハッポウスチロールに産卵されていたのは、プールは危険と感じたからと思います。

      「複合要因と強弱」を考える事が大切な事が分かりました。
      ありがとうございました。

      水棲昆虫を目視できたか? について

      上陸し始めた6/21の写真で、1㎝ほどの昆虫が多数確認できました。
      7月中旬では、2㎝近く成長して、水面にウジャウジャいて、激しく動き回っていましたから、プールの縁にいてもアマガエルも目視できたと思います。
      もちろん水に入れば、カエルは水中は良く見えるので、天敵が確認できたと思います。

      アマガエルの視力について

      以前調べた情報です。

      静止物に対しては、強い近視
      『視覚の発生過程』上野山謙四朗
       「カエルはオタマジャクシのままの目なので、空気中では強い近視」
       私も観察していて、静止物体に対しては、あまり視力は良くないと思ったり、一方、静止物の細い棒に飛乗ったり、池の覆いの針金の網を渡ったり、屋根から下を良く見ているので結構見えている様に思えてなりませんが。

      動体視力は良い
      これは、多数の本に書かれていますし、観察もしています。
      2mm位の虫でも、数㎝近づけば跳びかかりました。5mm位の蜘蛛なら20㎝から跳びかかって捕食したのを動画に撮りました。
      一方、5㎝もあるイナゴがゆっくり近づいた事がありました。数㎝まで気が付かない様子でした。餌の対象でもなく、天敵でもないと解って、見
      えていても無視していたかも知れません。

      他にこんなカエルの視覚の論文がありました。
       『視覚処理のインテリジェンス』 塩川諭
       『視覚・運動と認知』 松嶋隆二
      内容は上手く書けませんので省きます。

      それから、
      「カエルは、大きくて動く物には逃避行動を起こす」と書かれたものがあります。畑のカエルはほとんど逃げますが、庭やデッキのカエルは逃げません。
      以前、イタチに似たぬいぐるみを急に近づけてみましたが、無視されました。臭いで分かったのでしょうか。
      動物は、視覚だけでなく、嗅覚や振動なども含めて判断しているのかも知れません。

      書いているうちに、まとまらない文になってしまいました。
      申し訳ありません。

      ガン見について
      アマガエルの「ガン見」は、時間をかけて細かく見ているのではなく、考えているからだと思います。たとえば、「この人は、安全かな。? 逃げた方が良いかな?」などと。ヤエは、ガン見をしてから、手に乗りました。

      アマガエル同士の「ガン見」も見ましたが、相手の出方を伺う時でした。お風呂の取り合いの時で、威嚇している様にも見えました。ゆずる時は、目線をずらして意思表示している様に思えます。
       (よろしければ、画像もあります。)
      これは、私の仮説で間違っているかも知れません。

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  3. あけましておめでとうございます(*^^*)
    昨年はお転婆さんと、このブログに出会う事が出来、とても楽しむことができました。ありがとうございました!
    今年もよろしくお願い致します♪

    プールで育たないのは、水生昆虫に狙われるというのが大きいと思いますが、水深も関係してるのではないかなと思います。
    アマガエルのオタマジャクシは、水深が深いと育たないという話しを良くききます。

    私が思うにオタマジャクシの浮力(泳力)や水圧の影響もあるのかなと思いますが、もう一つは水深が深くなることで水温が下がり、変態が遅れる事も影響するのではと考えました。
    変態が遅れる事によって、それだけ水生昆虫に狙われる時間が増えてしまいます。
    なので水深が浅い、つまり水温が高くなりやすい場所をアマガエルも選んで産卵しているのでは・・・と思いました。

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    1. la mugio 様

      あけましておめでとうございます。
      昨年は、ご訪問下さり、コメントもいただき嬉しく思いました。
      こちらこそ、ありがとうございました。 今年もよろしくお願いします。

      水深について調べました。
      本では、「アマガエルは、浅い所に産卵する。」とあります。何㎝まで可能と言うような、はっきりした事は分りませんでした。

      プールは、低学年用なので、水深50㎝くらいと思います。オタマジャクシたちは、プールの壁の水面から下10㎝くらいまでの所に、くっ付いていました。田んぼでは、多くは底でユラユラしています。
      やはりプールの深さは厳しく、弱いオタマジャクシは、生きられなかったかも知れません。

      水温は測っていませんが、あきらかに田んぼの方が高いです。
      今年田んぼで上陸したのは、15日頃、プールでは21日ですから、同じ頃産卵されたとすると、6日ほど遅れた事になります。
      これは、水温の差によるものと思います。
      この6日の違いで、命を落としたオタマジャクシもいるでしょう。

      なぜ狭いハッポースチロールの箱に産卵してあったか、不思議でした。
      天敵だけでなく、水深や水温から、箱を選択したのかも知れませんね。
      ご意見ありがとうございました。

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